2011年4月19日火曜日

古ざらし 深草検校

古ざらし

深草検校 作曲

三絃 本手 中田久美子 澤村祐司
地 南海佳子

日本橋公会堂
2011/4/9

「さらし」は、地歌、箏曲をやる人には、馴染みがあるのだろうが、素人には、「さらし」がたくさんありすぎて、違いなんかも、よくわからんw

もとは、元禄時代(1688~1704)のころに、深草検校が「古ざらし」を作曲し、
のちに、山田流の「さらし」「新ざらし」、
中能島欣一の「さらし幻想曲」、「さらしに寄せる合奏曲」。
生田流では、三絃の「早ざらし」
宮城道雄の「さらし風手事」
が、深草検校の「古ざらし」をインスパイアしている。

槙の鳥には さらす麻布 賤が仕業や 宇治川の 波か雪かと白妙に いざ立ち出でて 布さらそう
かささぎの 渡せる橋の霜よりも 晒せる布に白み在り候 のうのう山が見え候 朝日山に霞みたなびく
景色は たとえ駿河の富士はものかは 富士はものかは
見渡せば 見渡せば 伏見 竹田に淀 鳥羽も いずれ劣らぬ名所かな いずれ劣らぬ名所かな
立波は 立波は 瀬々の網代にさへられて 流るる水を堰き止めよ 流るる水を堰き止めよ
所からとてな 所からとてな 布を手毎に 槙の里人打ち連れて 戻ろうやれ 賤が家へ

演奏は、若い本手の奏者が緊張なのか、最初の一声が、やや素っ頓狂な印象があったが、次第に、落ち着いてきたようで、楽器の演奏の掛け合い、歌詞や歌の調子も楽しめた。できれば、ステージではなく、お座敷で、一杯やりながら聴いてみたいものだ。

0 件のコメント: